1.2 用語の定義

tarは、tarアーカイブの作成と操作に使うプログラムです。アーカイブとは、多くのファイルの内容を、ファイル名や所有者などの情報とともに収めた単一のファイルです。(さらに、アクセス許可、ユーザーとグループ、バイト単位のサイズ、データの更新時刻も記録します。アーカイブによっては、収録された各ディレクトリ内のファイル名や、その他のファイル・ディレクトリ情報も記録します。)tarを使うと、指定したディレクトリに新しいアーカイブを作成できます。

アーカイブ内のファイルをメンバーと呼びます。本書では、ファイルという語は、通常の方法(lsやcatなど)でアクセスできるファイルだけを指し、メンバーという語は、アーカイブのメンバーだけを指すために使います。同様に、ファイル名はファイルシステム上のファイルの名前であり、メンバー名はアーカイブ内のメンバーの名前です。

展開(extraction)とは、アーカイブの1つまたは複数のメンバーをファイルシステム上のファイルへコピーする処理を指します。全メンバーを取り出すことは、しばしばアーカイブを展開すると呼ばれます。多くの、またはすべてのメンバーを展開することには、unpackという語も使われます。アーカイブを作成しても外部の元ファイルのコピーが失われないのと同様に、展開してもアーカイブの構造は壊れません。また、あるアーカイブのメンバーを一覧表示することも(標準出力やコマンドラインへ「表示する」ことと捉えられます)、既存のアーカイブにメンバーを追加することもできます。これらの操作はすべてtarで行えます。