2.1 このチュートリアルの前提
この章は、初心者がtarについて少しずつ学べる速さで進めます。同時に、これら3つの操作の基本的な側面をすべて扱うことを目指します。この両方を実現するため、本書を読む前に読者が持っている知識と、使用するハードウェアについて、いくつかの前提を置いています。
- このチュートリアルを始める前に、「アーカイブ」と「アーカイブメンバー」という語の意味を理解しておく必要があります(用語の定義を参照)。また、Unix系オペレーティングシステムの動作と基本的なユーティリティーの使い方について、ある程度の知識が必要です。たとえば、ファイルやディレクトリの作成、一覧表示、コピー、名前変更、編集、削除、ディレクトリ間の移動、ファイルシステム内で現在いる場所の確認ができることを想定しています。ディレクトリ構造と、所属するディレクトリに応じたファイル名の付け方についても、基本的な理解が必要です。標準出力・標準入力といった概念、「argument」(引数)という語のさまざまな意味、相対ファイル名と絶対ファイル名の違いも理解している必要があります。
- 本書では、特に断らないかぎり、自分のホームディレクトリから作業しているものとします。このチュートリアルでは、
tarコマンドを練習するためのディレクトリを作ります。ファイル名を示すときは、ホームディレクトリからの相対名を想定します。たとえば、私のホームディレクトリは/home/fsf/melissaです。例はすべてこのディレクトリの下にある、practiceというサブディレクトリ内で行います。 - 一般に、ハードディスク上のディレクトリに存在する、またはそこへ書き込める、そこから操作できるアーカイブを例に示します。多くの場合、テープドライブなど他のデバイスに書き込んだり、その上で操作したりすることもできます。ただし、チュートリアル後半と次の章にある一部の例は、テープドライブでは動作しません。また、テープの操作はハードディスクの操作よりはるかに複雑です。そのため、このチュートリアルではテープドライブの操作を扱いません。テープドライブで
tarアーカイブを使う方法の詳細は、テープとその他のアーカイブ媒体を参照してください。